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履歴書という「面接」

転職するときには必ず、履歴書を書くことになります。最近では特に指定がなくても職務経歴書を添付するのが当たり前になってきているようですね。この履歴書を書くときに、皆さんはどのような意識で書いているのでしょうか。何度も履歴書を出して転職活動を行ってきている人ほど、機械的に個人情報を記入するだけ、という作業になってはいませんか?

履歴書は異なる二つの側面からこの意識を今一度見直す必要があるのです。履歴書は、異なる二つの側面から見ることができるのです。一つは、応募者である自分から見た履歴書。もう一つは、求人企業から見た履歴書。この二つの側面を必ず意識して書かないと、結局のところ書類選考で簡単に落とされることになってしまうのです。女性の場合は特に気合いを入れて履歴書や職務経歴書を書いておきたいところです。何といっても「女性」というだけで負っているハンデがあるのですから。

さて、履歴書について、「顔の見えない面接」だと思って書くことにしましょう。そう思うと自ずと、適当なことは書けないなという意識になってきます。学歴ひとつ書くにも、字が丁寧にならざるを得ないでしょう。志望動機欄にも、どこかのマニュアルにあるような「御社の社風が合っているため…」というような言葉ではなく、何故自分はその会社が気に入ったのかを具体的に伝える必要が出てきます。

ここがポイントなのです。自分の言葉で、素直に、自分の想いを伝えること。ハンデがあっても迷惑かけずに働けること、何より自分はその会社で活躍の場が欲しいのだという情熱。「面接」であれば、それくらいのことは当然言ってもおかしくないことですよね。履歴書も同様なのです。

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転職における履歴書の価値

先に述べた通り、履歴書は「顔の見えない面接」です。だからこそ絶対に気を抜いてはいけないものなのです。でも、何故そう言い切れるのか、それには理由があります。私は勤めていた会社で、一時期支社の人事採用を任されたときがあったからです。ということで、今度は人事採用側の目線から見た履歴書についてお話してみましょう。

求人情報を出すと同時に、たくさんの履歴書が送られてきました。A4角封筒で出してくる人、通常の封筒で出してくる人、字がきれいな人などいろいろです。いかにも急いでいたのか、消印のない履歴書もありました。恐らく直接ポストに入れにきたのでしょう。履歴書が届くと同時に、開封を始めていきます。何通も来るので、正直なところ、いちいち細部にまで目を通している暇はありません。確認するポイントはおおよそきまっていました。

まず、丁寧に書かれているかどうか、修正液を使っていないかどうか、経歴、志望動機、この四点はまず必ずチェックします。丁寧に書かれているかどうかについては、履歴書を「面接」としてきちんと捉えているかどうかを判断します。修正液については、これは常識として使わないものですから、修正液を使って訂正しているような履歴書を書く人は、ややいい加減かなと判断します。経歴については言わずもがなです。募集職種に関連した経験、あるいは役に立つ経験を持っているかを見ます。志望動機欄は必ず目を通します。マニュアル的なことを書いている人は即却下です。きちんと自分の言葉で想いを表しているかどうか、的外れではないかどうかも見ます。

これがOKであれば、面接に呼ぶことになるのです。履歴書の価値について、視点を変えてみるといかに重要かが、これでおわかり頂けるでしょうか。

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私の履歴書、夫の履歴書

私はいろいろなハンデを抱えながら、転職活動を繰り返してきましたが、残念ながら不採用が続いていました。このように、書類選考で不採用が続くと、新しい求人案件に対して次の履歴書を書くときに、どうせまた書類選考で落とされるのだろう、という考えがどこかに生まれ、機械的に個人情報を書き入れる作業になってしまうのです。そしてある時、私もそれに陥っていたことに気付いたのです。

何故いつも同じことばかり書いているのだろう、何故企業側は私のハンデを嫌うのだろう、何故わかってもらえないのだろう、そんな疑問が浮かんだからです。そして気付いたのは、「私が履歴書書類で、自分の想いを企業側に伝えきれていないからではないか」ということだったのです。それに気付いた私は、自分のキャリアやスキルの棚卸しをしました。

どんな経歴があったのか、一見関係ない職歴でもどこか関連性を持たせることはできないか、妊娠や出産後のブランク時期にだって、オンライン英会話などをやってスキル維持に努めたではないか。「棚卸し」をしていると、忘れていたことや見過ごしていたことを、案外思い出すものなのです。そしてこれを自分の言葉で、志望動機として、職務経歴書として書き上げました。そうして採用されたのが、以後数年お世話になることになる、営業の会社だったのです。

一方、夫の履歴書はどうだったのかというと、私がやっていたような棚卸し作業は全く行っていなかったように思います。夫も書類選考による不採用がとにかく多かったので、それは自分の年齢のせいではないか、もともと会社経営者だから嫌われるのではないか、とよく言っていました。しかしそれは、不採用になった理由を「他の要因にすりかえている」だけであって、自分の履歴書を見つめなおすという「とるべき行動」とは全くかけ離れたものだったのです。

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夫の履歴書に物申す

ここでは、何故夫は履歴書で不採用が続いたのかを、ひとつの例として考えてみたいと思います。私から見ても、夫の履歴書は、「面接」として考えれば不十分なものだったと言えます。これには何点かポイントがあって、そういった点を指摘しても夫はこれを直そうとしなかったことも、彼の失敗の要因であったと思っています。

まず、夫は履歴書を使いませんでした。正確に言うと、市販の履歴書用紙を使わず、ワープロで自己流の書式で履歴書を作成していました。自己流の書式、と言ってもフォームがあるわけではなく、ただの文字の羅列でしたので、あまり見やすいとは言えません。そして常にワープロで作成していた理由のひとつに、自分は字が汚いから、ということがありました。字がうまくなくても直筆で書くのが基本であるものですが、一度たりとも直筆の履歴書を出したことはありません。これでは採用担当者に伝わるものが何もなくなってしまいます。そして、職務経歴書にしても、ただの経歴書でしかなく、自分がどういう業績をあげて、それがどのように次の会社に活かせるのか、というアピールが全くなされていないのです。

こういったことを私も指摘しましたが、夫には直そうという態度は見られず、ただ不採用になる理由を他に見つけては文句を言っていたのです。こんな夫に当てはまるような方、いらっしゃったら是非自分自身の棚卸しをした上で冷静に分析して下さいね。

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女性が履歴書を書く上で

結論から言えば、女性が履歴書を書く上では、敢えて自分が負っているハンデやリスクを先に述べてしまうのが得策だと、私は考えます。これまで述べてきたように、女性には、結婚、妊娠と出産、子持ち、30代などという、男性では問われないようなことがハンデになっているのは周知の事実です。事実なのであれば、それに対して何か対策を打つ必要があります。それが、ハンデを武器にせよ、という考え方ではないかと思うのです。

私は、妊娠から出産を経て子育て中には、完全に社会生活から離れて専業主婦になっていました。しかし、自分の世界が「自宅とその周辺」でしかないこと、日常の会話の内容が「家庭のことや子育てのこと」でしかないことに、自分が社会から隔離されているような危機感と焦りを感じていました。そこで始めたのが、パソコンを使ったオンライン英会話であったり、自分の留学経験をまとめた原稿書きだったり、といった作業でした。また、子育て中も、夫はほとんど単身赴任状態だったので、家事育児ともかなり必死に頑張ってやってきたのですが、その頑張り自体も、本来なら評価に値すべきものなのではないでしょうか。

負けない女性このように、転職とは全く無関係だと思われることや、女性にとってリスクだと思われるようなことでも、それを逆手に取ったり「へこたれない根性」として自己評価するなどして、履歴書や面接の際に活かすことはいくらでもできるものなのです。一番いけないのは、自分のハンデに負けてしまうこと。是非とも、負けない女性であり続けたいものです。

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マニュアルどおりの履歴書はいらない

私は、転職者側の立場も、採用側の立場も、幸いにも両方経験することができました。その両側の立場を経験した上で言えることは、「マニュアルどおりの履歴書はいらない」ということです。マニュアルどおり、とは他の誰もが書くことと同じ内容であることを指し、独自性がなく、優等生的な言葉の羅列であり、挑戦的でない、という意味で私は言っています。

履歴書に「趣味」の欄があります。そこに書かれているのは通常、読書や映画鑑賞、音楽鑑賞だったりします。確かにそれが趣味である人も多いでしょうが、人事担当者に訴えかけるものは何もありません。でももし趣味の欄に「趣味:推理サスペンスものの読書。○○作家のものは読破しました。」などと書かれていたら、人事担当者もついその欄を読んでしまうことでしょう。

志望動機も同様です。「御社の社風に惹かれ」と書いてあるだけでもう落選です。まだ入社してもいないのに社風などわかるわけもありません。それよりも「自分のこういう力を御社でこういう風に役立てたい、役立てられるのではないか」と書かれていれば、それは良いアピールになります。履歴書もインターネットサイトも同じで、いかに自分のページへの「滞在時間」を長くしてもらえるか、といった工夫が必要なのです。長く「滞在」してもらえれば、たくさん読んでもらえます。たくさん読んでもらえるということは、自分に興味を持ってもらえているということなのです。

マニュアルどおりではない、自分なりの独自性を出すには、自分の本音を出していくこともとても有効なのです。必要なのは格好の良い言葉ではなく、「あなた」の言葉なのですから。

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