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女性の転職リスク

女性が転職する上では、ハンデがつきものだということはこれまでにも何度か言及しました。このハンデは女性にとっては言わばリスクでもあり、転職活動を行う上でそれをスムーズに行うことができないハードルとなってしまっています。女性が持つ転職リスクとは、結婚で退職するかも知れないという可能性、妊娠や出産のために退社あるいは休職されるかも知れないという不安感、子持ちの女性の場合は子供に何かあった時に仕事の途中で帰宅されても困る、という予想、そういったものにあると考えられます。

これらのリスクを強みに変えようということも、先ほどから繰り返し言ってきました。リスクは裏返せば強みになり得るからです。物事は視点ひとつでポジティブにもネガティブにも見えるものですが、これは転職活動の際にも同様に言えるものです。自分の持っているハンデに弱気になっているくらいなら、どうせならダメもとで全て正当化してしまいましょう。それくらいの開き直りが必要だと思うのです。

自分の棚卸しそうは言ってもハンデを強みに切り替えることは、心理的にはそう簡単なことではありません。そこで役に立つのが、自分のキャリアやブランク期間の棚卸し作業なのです。棚卸しは自分を冷静に見つめさせてくれる作業なので、これは是非行って下さい。

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リスクの内訳と分析

女性が転職活動を行う時、多くの場合面接官から訊ねられることがあります。それは「ご結婚はされていますか?」「お子さんはいらっしゃいますか?」「お子さんの面倒はどなたが見られますか?」この三つに大別されていると言っても良いでしょう。これが代表的な女性のリスクだといえるものです。

「ご結婚はされていますか?」この質問には、女性は結婚によって寿退社してしまうのではないか、という根強い意識が企業側にあることが挙げられます。面接官が男性である場合も多いため、そこは仕方のないところかもしれません。ただ現在では、結婚しても独身自体と変わらず働き続ける女性は多いため、この辺の意識は徐々に変わりつつあるとも言えるでしょう。次に「お子さんはいらっしゃいますか?」という質問ですが、これは、子供がいることによって家事育児に時間をとられ、パート的にしか仕事ができないのではないか、という企業側の意識が見られます。我が家のように、夫が家にいるので問題ありません、という回答は、あまり好まれなかったように思います。やはり男性が主夫として家にいる、ということはまだまだ受け入れられにくいことなのかも知れません。そして「お子さんの面倒はどなたが見られますか?」、この質問には、家族の協力体制がどこまでしっかりできあがっているかが問われています。親と同居しているなどの場合は問題ありませんが、例えば私の場合、夫が家にいる、子供は保育園にいる、親が度々家に来る、といった理由付けではどうやら不十分なようです。常に子供のことをみてもらえる「女性」が家にいることが、企業側にとっての安心感につながると言っても良いでしょう。

やや独断的な分析をしましたが、決してあり得ないことではなく、むしろこれが企業側の本音の部分ではないかと思うのです。この辺を自分でも意識して環境を整えてから、転職活動に挑むことにしましょう。

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既成概念を持っているのは誰

女性が転職活動をしようと思ったら、その転職サイトや企業のサポート面にも目を向けておく必要があります。女性だからこそ負っている様々なリスク、つまり既婚者であったり、子持ちであったり、30代、40代であったりと、男性ならばそれほど問われない条件が女性の場合にはリスクになってしまう可能性が、今でもやはり大きいものなのです。

そこで大切になってくるのが、サポート面です。私は地域の関係から利用したことはありませんでしたが、とらばーゆのような女性向けサイトを持っているところや、女性をターゲットとしたサイトなどでは、女性に向けたサポートも充実していることが多いのです。ただしこの場合、正社員として、というよりは派遣社員としての働き方の方が、お仕事件数も充実度も高いと言えるでしょう。派遣会社のサイトの方が、案外充実したサポートを誇っている場合が多いものです。実際に、結婚している人、子供を持っている人の転職をサポートするコラムを持っているサイトもありました。

派遣という働き方だからと言ってがっかりすることはありません。今は紹介予定派遣という働き方もありますから、一定期間の間は派遣スタッフとして働いて自分の能力や仕事環境を見てもらい、納得してもらった上で正社員契約を結ぶという可能性もあるのです。うまくサポート部門やシステムを利用して、女性でも見事に転職を勝ち取りたいところですね。

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子持ち家庭もち女性は使えない?

これも、先ほどのポジティブ・シンキングにつながってくるところです。転職面接の場合、確かに子持ち家庭もち女性は、そうでない人に比べてハンデがあるということは否定できません。しかし、子持ち家庭もち女性は使えない、などということは、一体誰が決めたことなのでしょうか?誰でもありませんよね。これは日本という国における一般的な、昔からの風習として、女性は家庭のことを中心に担うという考え方があったために起こりうることなのです。ですから、実際の女性の能力とは本来は全く無関係なのだということを、自分自身が理解しておく必要があります。

子持ち家庭もちの女性は、自分がおかれている環境について、自分の考えやとっている行動を一度振り返ってみると良いでしょう。毎日家事育児に負われていた日々、その中で社会隔離の不安から逃れるために努力していたこと、日々の取組みなど、何かが必ずあるはずです。その何かを見つけ出してみましょう。自分の中に何かを発見するということは、自分の中の能力、ポジティブさに気付くことができる、ということでもあります。これが実際の転職活動の際には、自分をきちんとアピールできる力として自分の中で活躍してくれるのです。同時に、このような習慣がつけば、日々の暮らしもより充実したものになりますよ。

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企業側の意識改革

女性の転職にあたって、企業側はその意識改革をしなくてはならないと考えています。最近は徐々に、働く上での男女差はなくなってきていると言うけれど、家庭での役割が「夫は仕事、妻は家庭」という根強い慣習が残っている限り、企業側もそう簡単には変われない、というのが本当のところでしょう。家庭での役割が決まっているから、仕事において女性には期待したくてもできない、というのが本音なのだと思います。だから、女性はパート、男性もしくは独身女性は正社員、という固定概念が生まれてきてしまうのですね。

家庭における昔からの慣習というのは、それこそ簡単には変わらないものです。ならば私たち自身が変わらなければなりません。そして企業も固定概念から解放されなくてはなりません。企業で働く人たち自身が、女性に対する固定概念から解放されること。環境さえ整えば、既婚でも子持ちでも、女性は他の社員と同じように能力を発揮し働くことができるのだ、という意識。

女性にとっても、既婚者である男性にとっても、女性が働きやすい環境というのは、欠かせない要素なのではないかと思うのです。女性が働きやすい会社こそ、成長できる企業であり、男性にとっても働きやすいのではないか、それが私の持論です。

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